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偏諱に関するコラムを綴る。扱うのは主に鎌倉時代、たまに室町~江戸時代も。鎌倉幕府御家人などの名前に着目し、誰から1字を貰ったかについての個人的な見解も論ずる。あくまで素人の意見であるから、参考程度に見ていただければと思う。

偏諱に関する研究・論文

このページでは、当ブログで主に扱っている、

鎌倉時代南北朝時代 の “偏諱” についての先行研究(論文など)を紹介します。

 

同時代は後の室町・江戸時代のような一字書出や加冠状といった、元服に関する史料がほとんど残っていないため、その “偏諱” については、歴史研究者による様々な研究がなされてきました。それを以下に挙げておきます。

 

 

1.紺戸論文以前

 

 ・中山 信名 撰『平氏江戸譜』(静嘉堂文庫蔵)所収 河越氏系図

(『川越市史 第二巻中世編』(川越市、1985年)P.162に掲載)

★ 江戸時代成立のものとして、河越氏嫡流の歴代当主の傍注に、得宗の名前で「●●ノ一字」と書かれているのが特徴的。同時代には既に北条氏からの一字付与を想定する考え方が存在していたことが窺える史料です。 

▼ 詳しくは以前記事に紹介しているのでご参照下さい。

historyofjapan-henki.hateblo.jp

  

 ・貫 達人円覚寺領について」

(『東洋大学紀要』第11集、1957年)P.21

★ 本文中、本論からやや雑線するような形で、安達泰盛三浦泰村の「泰」などを挙げて北条氏からの一字付与について言及。

 

 

 

2.紺戸論文以降 

 

● 紺戸 淳武家社会における加冠と一字付与の政治性について鎌倉幕府御家人の場合―

(所収:『中央史学 第2号』P.10~26、1979年)

 鎌倉時代、北条氏からの一字付与を専門に扱ったものとして最初のもの。

 

阪田 雄一足利直義・直冬偏諱考」

(所収:國學院大學地方史研究会機関誌『史翰』21号、1994年)

★ 題名の通り、足利直義 あるいは 足利直冬 からの偏諱授与者と推定される武将について扱った論文。

 

● 角田 朋彦偏諱の話」(*コラム記事)

(所収:再興中世前期勉強会会報『段かづら』三・四合併号、2004年)

 

● 山野 龍太郎 「鎌倉期武士社会における烏帽子親子関係」

(所収:山本隆志 編『日本中世政治文化論の射程』, 思文閣出版、2012年)

 

● 水野 智之『名前と権力の中世史 室町将軍の朝廷戦略』〈歴史文化ライブラリー388〉(吉川弘文館、2014年)

 

● 今野 慶信「鎌倉武家社会における元服儀礼の確立と変質

(所収:『駒沢女子大学 研究紀要 第24号』P.37~55、2017年)

▼こちらのページよりPDFファイルでご覧いただけます。

komajo.repo.nii.ac.jp

 

 

 以上です.