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アンサイクロペディア、エンサイクロペディア等に並ぶことを目指す、Wikipediaの歴史系パロディサイト。扱うのは主に鎌倉時代、たまに室町~江戸時代も。主に"偏諱(へんき)"に着目して、鎌倉幕府御家人の世代や烏帽子親(名前の1字を与えた人物)の推定を行い論ずる。あくまで素人の意見であるから、参考程度に見ていただければと思う。

【特集】北条氏一門の得宗からの偏諱拝領者について①

系図類で北条氏一門の人名を眺めてみると、本家筋たる得宗から偏諱を受けた者が多く見られる。

先月は、『尊卑分脈』北条氏系図*1に見える人物を主に取り上げて、一字を拝領したとみられる者を紹介した。

 

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改めて系図化すると、特に "得宗専制" 期にあたる時宗・貞時・高時3代にかけて対象者を増やしていったことが窺える。当初は名越流などが得宗に反抗的な姿勢を見せることもあったが、次第に得宗が他の一門を統制下に置いたことが窺えよう。 

 

        経時 

義時――時氏―時―

           ―政―師時―時茂

           ―頼―

        ―時定―定―随時

  ―朝時―時章―公時――――

     ―時長――夏時

     ――――教時―

     ――――時基――――

  ―重時――――長時―義時―

      ―――時茂―時範―

      ―――義政―時治―

  ―――――顕―貞将

時房――――時盛―政氏―盛房―

        ―時員―時国―

   ―――朝直―宣時―

   ―――時直―清時―時俊―

 

赤字親王将軍からの偏諱北条時も含む)

 

是非、詳しくは各人物の記事を参照していただきたい。

もちろん、対象者は上記のみにとどまらず、師時の子、時茂の兄として紹介した北条や、名越朝の項で取り上げたその長兄・名越基など、まだまだ候補者は大勢いるが、またの機会で考察してみたいと思う。

 

出典

*1:黒板勝美国史大系編修会 編『新訂増補国史大系・尊卑分脉 第4篇』(吉川弘文館)P.17~22。